2012年

1月

13日

土木技術者女性の会 「Civil Engineer への扉」

土木技術者を目指す女子学生のための就職支援パンフレット
土木技術者を目指す女子学生のための就職支援パンフレット

先日、八丁堀の建設会館にて、土木技術者女性の会によるプレス発表がありました。

 

同会設立30周年記念行事の6月に開催予定の未来フォーラム開催についてと、土木技術者女性の会のシンボルマーク募集についての発表でした。

土木技術者女性の会は、今から30年前の土木学会の女性技術者の座談会からスタートした組織です。しかしながら、現在は、女性土木技術者特有の問題をきめ細かく取り上げ対応していくため、学会からは独立した団体として活動されています。当初は会員は、30名でスタートしましたが、現在は170名程度となっています。スタート当初に比べ、女性土木技術者は、増えてはきているものの、土木学会の女性比率は2~3%程度と他の学会に比べ極端に低く、そういった意味でも、若い方への土木関係という仕事についての普及、PR活動にも力をいれてらっしゃいます。

 

6月に開催予定の、未来フォーラムについても、土木の意義を伝えることを目的としてらっしゃいます。フォーラムでは、土木に対して「人々の社会基盤を支え、命を守る仕事」という点を強調されており、命を守るということに共感し、それを目指す人が少しでも増えることを期待されているようです。また、このフォーラムには、男女問わず誰でも参加できますが、土木という一見男性っぽい分野に、この「命を守る」というソフトなテーマを設定したとが、女性ならではのアプローチなのではないかということでした。

また、会長の桑野先生(東京大学生産技術研究所 准教授)は、今年は、東日本大震災があったことから、土木技術全体にとっても、改めて命を守ることを認識し、その重要性を感じた再出発の年でもあるとおっしゃってらっしゃいました。

さらに、土木の現場で女性が働くこと自体があまり認知されていないので、女性が現場でもやりがいをもって働いている、働けるということをまずは認識してもらいたいとのことです。

 

私も、最近は大学の学部などでも「土木」と言わず、「社会基盤」「社会環境」などと名称変更されたこともあり、女性の進学者も増加しているらしいとは聞いたことがあります。リケジョのサイトにも、土木を目指したいという女子高校生の質問もありましたし、先輩リケジョの方の中にも土木系の方は何人にいらっしゃいます。

今後、もっと多くの女性が活躍されることを期待します。

 

なお、同会では、将来を模索している女子高校生や女子大学生の職業選択や、土木技術者を目指している女

性達の就職活動を支援することを目的として、土木技術者女性の会が作成した就職支援パンフレットも作成されています。

内容としては、

 1.イラストによる土木分野の仕事の紹介

 2.現役で活躍している女性技術者19名によるロールモデルの紹介

 3.働く女性にとって重要な法令や資格に関する情報

 4.土木技術者女性の会の紹介

などが掲載されています。 

今回、理系女子の100冊サイトでご紹介することで、リケジョブとしての土木について、この本を通じて多くの方に知っていただきたいと思います。

詳細及び入手につきましてはこちらをご覧ください。

https://womencivilengineers.secure-ymc.jp/pamph.htm

 

なお、未来フォーラムについては、4月に参加方法などの詳細が発表されますが、以下の日程は決定しています。ご興味のある方は、どうぞ予定を空けて、お楽しみしていてください。また、ご紹介したいと思います。

 

 ○趣旨 "いのちを守る土木の未来"をテーマに、土木の原点を再考し若い世代に土木の意義を伝える

 ○日時 2012年6月22日(金)13時30分~

 ○場所 東京大学駒場リサーチキャンパス コンベンションホール

 ○基調講演 調整中

 ○パネルディスカッション「いのちを守る土木の未来 ―土木の原点を考える―」

   パネリスト 山本卓朗さん(土木学会会長)

   木村亮さん(京都大学教授、NPO法人道普請人理事長)

 ○参加資格 どなたでも参加できます。

 ○参加費 無料

 

また、会のシンボルマークの募集については、はじまっています。応募用紙など、詳しいことは、以下のサイトよりご覧ください。絵の得意な方は、チャレンジされてはどうですか? ちなみに、優勝賞金は20万円です!

 https://womencivilengineers.secure-ymc.jp/boshuu.htm

 

土木技術者女性の会のますますのご発展とご活躍を期待いたします。

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2011年

8月

22日

cornfieldさんからのお勧め本

ぐりとぐら

なかがわ りえこ(著) おおむら ゆりこ(イラスト) 福音館書店

みんなも知っている懐かしい絵本!

 

【ストーリー】

野ねずみのぐりとぐらは森で大きな卵を見つけます。卵をどうするのか悩み、観察したり、挑戦したり、協力したり、分かち合ったり、工夫したりする様子が描かれています。

 

【エピソード、メッセージなど】

「ぐりとぐら」が好きな幼稚園児だった私は、母の留守を狙ってカステラ作りに挑戦しました!(絵本だけ参考に!)作戦は見事失敗し、帰ってきた母のおかげで溶かした卵の液は蒸しパンに変身しました。あのときの味は忘れません。

【この本があなたに与えた影響】

 あのチャレンジ精神(食べ物好き!?)が今に繋がっているかもしれません。大人になってから「ぐりとぐら」を読んだとき、「観察」「挑戦」「協力」「工夫」「社会貢献」などたくさんのキーワードが含まれていたなぁ、と感じました。表だって与えた影響というよりは、深いところでの精神的な影響をもらった気がします。

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2011年

6月

07日

らっしいさん(製薬会社)

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学

松永 和紀  (光文社新書)

【本の内容紹介】

 世界に氾濫するトンデモ科学報道は、メディアの構造、そして、それを利用する企業や市民団体の思惑が作り上げている。しかもそれを一般人が歓迎している節もある。科学におけるメディア・リテラシーの在り方を問う。

【メッセージ、エピソード】

 理系の人間は、一般人のものの考え方・感じ方を理解できないために、いくら事実を述べたところで彼らの耳に入らないという現象をよく起こします。

しかし一方で、ニセ科学を擁してモノを売りたい人間にとっては、一般人の感性をしっかりととらえるスキルがあるのです。

「しょせんあれはニセ科学だ」と相手にしていなくても、悪貨が良貨を駆逐するように、科学的事実を述べる側が、じわじわとニセ科学を擁する側のストラテジーに絡めとられて、力を失ってしまうこともあります。

私たちリケジョは、科学を通じて社会に貢献するのが務めです。そのために、ニセ科学を知り、社会への正しい情報の伝え方を考えましょう。

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2011年

5月

10日

女性技術士の会からのお勧め本

行動する女性技術士たち

女性技術士の会

 

 

若い技術者や理系を目指す学生・女性技術者向けに、女性技術士21名のキャリア紹介を中心にまとめた本です。A4版、全カラー53ページで大変わかりやすい冊子となっています。中高生の皆さんには普段あまりなじみのない技術士という仕事について知ることができます。

 

この本を発行した『女性技術士の会』は、平成5年に、日本技術士会の女性会員の有志が、女性の技術士へ呼びかけ、発足した団体です。平成19年11月27日に「特定非営利活動法人」となりました。会員数は、平成22年 4月 1日現在、正会員、協力会員、賛助会員合わせて143名です。

 

 

目次はこちらをご欄下さい

http://www.pej-lady.org/myblog/mokuji.pdf

 

詳細・問い合わせ先

http://www.pej-lady.org/myblog/2009/10/post_327.html

 

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2011年

5月

06日

yuyuさん(国際基督教大学大学院修士課程)

二人で紡いだ物語

米沢富美子/朝日文庫

本の内容紹介

日本を代表する女性物理学者 米沢富美子さんの半生記。

物理の研究を続けながら結婚、出産、育児、数度の大病、大手術、夫の死・・・。

物理の研究も家庭も諦めなかった女性科学者の本。

 

メッセージ、エピソード

研究者は結婚が難しそう、プライベートがなさそう。

色々心配になることはあると思いますが、研究も結婚生活も捨てなかった女性研究者がいたんだ!と勇気づけられました。

どちらも必死で努力したからこそ成し遂げられたことだと思います。とっても元気になる一冊です。

 

 

 

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2011年

4月

28日

吉田さん(食品会社勤務)

理系女性のキャリア軌跡~私のロールモデルを探して~

日本女性技術者フォーラム編著/西桜印刷株式会社

本の内容紹介

12人の理系出身の講師が、化学、薬品、食品、建設、自動車、公的研究機関等々、様々な分野でキャリアを重ねた軌跡を語った貴重な記録です。どんな子供だったのかから始まって、今の最先端の業界の話題までお話いただいています。

 

メッセージ、エピソード 

一口に理系といっても多岐にわたりますが、他業種のことを理解するきっかけななりました。また、どの職場でも同じような問題、悩みがあり、同じように苦しみながらも成長していった姿に感銘を受けました。
是非みなさんにも見てほしい一冊です。

 

この本があなたに与えた影響

自分が一人ではないと教えてくれた本です。

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2011年

4月

23日

wackyさん(化学研究員)

とりぱん

とりのなん子\ワイドKCモーニング

本の内容紹介

モーニングに掲載中の4コマエッセイ漫画です。
北東北の自宅の庭での野鳥の餌付けが話の中心です。
筆者の鋭い観察眼と感性により鳥だけに限らず数多くの種類の生物が生き生きと描かれています。
我が強いヒヨ(ヒヨドリ)、引っ込み思案のつぐみん(ツグミ)、ポンちゃん(アオゲラ)、かまさん(カマキリ)などなど

 

メッセージ、エピソード

とりぱんを読んでから自分にとって単なる「鳥」でしかなかった存在がムクドリであり、ハクセキレイ(飛ぶより歩くのが好き)であり、メジロ(ウグイスよりウグイス色)であることが分かりました。
道を歩いて見ているつもりでいながら何も見ていなかったことに気付かされ、世界がモノクロからカラーに変わったかのようです。
読めば地球に暮らすすべての人の生活が少し楽しくなると思います。特に生物学・環境学に興味がある人にお勧めします。

この本があなたに与えた影響

30分の徒歩通勤や散歩が楽しくなった。
身の周りの環境に対する関心が増した。

 

 

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2011年

4月

23日

mocoさん(立命館大学理工学部マイクロ機械システム工学科)

科学を選んだ女性たち

W.A.スピンクス\オーム社

本の内容紹介

(「はじめに」より抜粋)
子どもの「理科離れ」が大きな問題になっている。理科が好きな女の子は特に少ない。「理科は女の子に向かない」「女の子に理科は無理」という声がいまだに聞こえてくるが、そんなことはない。女性にこそ理数系を選んでほしい。科学はワクワクするおもしろいものなのだ。科学を選んだ14人の女性-研究者の道を踏み出した助教(助手)4名と、研究者の卵である大学院生10名-が訴える。彼女たちの歩んできた道、抱いている希望、思い描いている未来・・・・その生の声を聞いてほしい。本書は自分の進路をしっかり選ぼうとしている多くの女子中高生に「科学のマドンナ」プロジェクトがおくるメッセージである。

メッセージ、エピソード

私は科学を選んでからこの本を読みましたが、自分の選んだ道は間違ってなかったんだなと自信が付きました。ぜひ科学に対する苦手意識や先入観をなくしていただけたらと思います。

 

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2011年

4月

23日

sumikazさん(国内メーカー勤務の電子技術者、無線機器の回路設計を担当)

通心日記

澄野一樹\オンブック

本の内容紹介

プロモーション・ビデオは下記こちら

『通心日記』の前半の『インピーダンス・マッチング』は、こちら。(冒頭を立ち読みできます)

 

メッセージ、エピソード

私(会社員、電子技術者)が書いた、若い女性技術者が主人公の小説です。電子技術者という仕事の苦労や喜びを疑似体験できます。

 

 

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2011年

4月

21日

おちゃとさん (電機系会社勤務)

14歳の君へ どう考えどう生きるか 

池田晶子著/毎日新聞社

本の内容紹介

とても平易でわかりやすい文章、哲学書の堅苦しさは微塵もありません。
考えることの大切さ、奥深さに触れることができます。物事を深く考え、考察、洞察する、理系として基本的でとても大切なことに気づき、学ぶことができます。

 

メッセージ、エピソード

技術の仕事をしています。
仕事で行き詰ったときに読み、自分で考えて解決することの楽しさを思い出し、前向きに一歩成長することができました。
それ以来、著者の池田さんの大ファンになり、人生の伴侶にしています。先日、癌で入院した時も、池田さんの本のおかげで楽しい闘病生活をおくることができました。

 

 

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2011年

4月

15日

acaさん (京都大学大学院博士後期課程3回生)

科学者たちの奇妙な日常

日経プレミアシリーズ

本の内容紹介

科学者の日常を親しみやすい文体で知らせています。

日頃どんなサイクルでお仕事をしているのか?学会ってどんなものか?特許って?論文て?キャリアって?というのがとてもよく分かります。

研究の専門的な事は出てきません。

 

メッセージ、エピソード

科学者がどんな生活をしているのかはなかなか見えにくいし、調べにくいと思いますが、とてもリアルに、かつ、おもしろく書かれています。特に女性科学者の視点というのも貴重かと思います。
読んでみてもし、科学者(研究者)という仕事に興味を持てたら踏み込んでみてほしいです。

 

この本があなたに与えた影響

私は研究者、科学者になろうとしているので、自分がどういう世界で生きようとしているのかを、家族に知ってもらうのによい本だと思いました。実際、母にも読んでもらいました。

 

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2011年

4月

15日

非公開さん (大学教員)

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

ティナ・シーリグ著/阪急コミュニケーションズ

本の内容紹介

著者は、スタンフォード大学医学部で神経科学の博士号を取得後、型破りなことにビジネス界に転身した女性です。本を書いたきっかけは、20歳を迎える息子さんだったとか。起業関係の話題は日米の違いもありますが、目の前がパッと開けるような本です。

 

メッセージ、エピソード

高校生や学部生なら年齢的にぴったりでしょうね。私が読んだのは30歳で「もっと早く読んでおきたかったな」と思いました。

 

この本があなたに与えた影響

新しいことに挑戦してみたくなりました。

 

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2011年

4月

15日

sayahakaseさん (Lund University/ Clinical Research Center、ポスドク研究員として糖尿病の研究)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか?

榎木英介著/DISCOVER21出版

本の内容紹介

日本の博士号取得者と、社会の現状など、2009年以降の新しい情報をもとに書かれています。
博士の活用が日本の科学技術発展に、そして、日本の不況からの脱却に繋がるはずだ!という内容。

 

メッセージ、エピソード

実は、まだ読み始めたばっかりなんですが、イントロダクションを読んで、とても読みやすく、「これはいい!!これなら是非高校生たちにも読んでほしい!!」と強く思いました。
私自身ポスドクとして日本を離れて研究をしていますので、とっても興味深い内容です。

 

 

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2011年

4月

15日

Lunaさん(早稲田大学)

「世界はわけてもわからない」

福岡伸一著/ 講談社現代新書

本の内容紹介

生命って、研究って、こんなに面白いものだったのか!と物理選択ながら驚かされた本。
大学では生物も勉強したいと考えるようになったきっかけの一つです。
生命の分野はいまだにわからないことが多く、研究し甲斐のある学問なので、あらゆる分野に携わる人にお勧めできます。
前作「生物と無生物のあいだ」以上に読みやすく面白い作品です。

 

メッセージ、エピソード

本作の醍醐味は最後の1/3。
推理小説のように描かれる「ATP分解酵素のリン酸化と発がんに関わる仮説」のねつ造スキャンダルが読者を引き込みます。

 

この本があなたに与えた影響

生物を勉強しようと考えるようになり、受験の際に学科選択のきっかけとなりました。

 

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2011年

4月

14日

kabaokunさん (製薬会社勤務)

パラサイト・イヴ

瀬名秀明著/新潮文庫

本の内容紹介

子どもの頃からゲーム好きだった私は、中学生当時話題になっていたゲームに原作小説があるということで、この本を手に取りました。

内容を一言で言うとSFホラーですが、何より衝撃を受けたのは、物語の中で生命科学の専門用語が非常に多く出てくることでした。当時はその難解な言葉があまり理解できませんでしたが、もちろん、ストーリー自体はとても面白かったです。

この時、理系ってかっこいい!と感じたことで、今の自分があるのかもしれません。

(第2回日本ホラー小説大賞/大賞受賞作)


メッセージ、エピソード
この本のキーワードは、「ミトコンドリア」。私たちの身体を構成する細胞に必ず存在する細胞小器官が、重要なカギとなり物語が進行します。

専門用語が沢山出てくるという点以外は、文章も分かりやすく読みやすい小説なので、是非多くの方に読んでいただきたいと思います。サイエンスに興味はあるけど難しい本はちょっと苦手だな、という方にもお勧めできる一冊です。


この本があなたに与えた影響
生命科学に興味が出た、理系っていいなと思った

 

 

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2011年

4月

14日

Zammyさん (建設コンサルタント)

ご冗談でしょうファインマンさん

リチャード P. ファインマン著、大貫 昌子翻訳/岩波現代文庫

本の内容紹介

数学者のジョン・フォン・ノイマンをはじめ、エンリコ・フェルミ、ニールス・ボーアetc.etc.一度は聞いたことのある有名な研究者が次々と登場し、彼らが、ファインマンの描写によって生き生きと目の前で動きだします。

自身のプライベートなエピソードも多彩で、ファインマンが、ロスアラモス研究所で原爆の開発をしていた頃、病気の奥さんを見舞いに行き、本棚の中から奥さんのさわった本をあてる遊びをする一幕が印象的です。

 

メッセージ、エピソード

高校生のとき読んだと記憶しています。

ファインマンが描き出す、科学者たちの人間描写がおもしろおかしく、時にせつなく、また、科学と研究者の関係、その功罪について考えさせられた一冊でした。

 

この本があなたに与えた影響

分が技術に携わるとき、それがもたらすプラスとマイナスについて、つねに心の片隅で考え続ける、そのきっかけを与えた本だと思います。



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2011年

4月

14日

中村さん (聖路加国際病院 教育・研究センター)

最高の医療をうけるための患者学

上野直人著/講談社+α新書

本の内容紹介

アメリカのがん専門病院で働いている医師が、患者が医療を受ける際に知っておくべきことを解説した本です。

 

メッセージ、エピソード

医療者を志す学生さん、家族ががんと診断された方にぜひ勧めたい本です。自身がサバイバー(がん患者)でもある上野医師のメッセージが濃く凝縮されています。がん医療を志す学生さんは、いずれ上野先生のことを知ることになると思います。ブログやtwitterでも活躍されていますので、そちらもご覧ください。

チーム医療を根付かせることにも尽力されてこられた上野先生ですが、学生の皆さんにもチーム医療の現状に興味を持っていただきたいと思います。コミュニケーション力、リーダーシップ力、EBMの基本などを身に着けて将来活躍できるように備えてくださいね。

 

この本があなたに与えた影響

私自身の指導者でもある上野先生ですが、仕事に対する姿勢など学ぶところがたくさんあり、一人の人間がこんなにできるのかと、可能性の広がりを感じます。
この本の内容は、知っているのと知らないのでは大違い。じっくり読んで、自分の行動を立ち止まって考えました。

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2011年

4月

14日

フミータさん (理化学研究所・スーパーコンピュータの運用管理)

ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)

ビアトリクス・ポター (著), Beatrix Potter (原著), いしい ももこ (翻訳) /福音館書店

本の内容紹介

ウサギのピーターラビットのおはなしです。

イラストは世界的に有名ですがどういうストーリーかというと実はたわいもないウサギの日常が描かれています。日本人にとっては外国の風景への憧れや擬人化された動物たちの可愛さもあいまって、楽しめる作品です。

 

メッセージ、エピソード

子供ころにこのシリーズを買えるだけ買ってもらいました。

絵がとても可愛かったというのがきっかけなのですが、実は動物や自然の風景の描写が秀逸で(訳もすばらしかったのだと思いますが)自然への愛情とするどい観察眼両方をもったポター女史にしか書けない作品であったのではないかと大人になってから気づきました。

女史は地衣類や菌類の共生関係を研究し発表したのですが女性であったということでアカデミアに認められなかったという経験をされています。後世に残る本という形で彼女が発見した自然のすばらしさを発表されたんだと思います。

 

この本があなたに与えた影響

自然を観察することの楽しさを学びました

 

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2011年

4月

14日

らっしいさん(製薬メーカー 動物用医薬品・飼料の学術・開発)

神と悪魔の薬 サリドマイド

トレント・ステフェン、ロック・ブリンナー著/日経BP社

本の内容紹介

妊婦さんのつわりを軽減する薬として売り出された「サリドマイド」。しかし、服用者から生まれた子供たちには、腕がアザ ラシのように短いなどの奇形が多発した! 20世紀最大の薬害事件である「サリドマイド事件」の顛末を中心に描いている。しかしその後、この薬はハンセン 病やある種のがん、自己免疫疾患などに有効であることがわかり、今では再承認を受けている。「薬」とは何かについて考えるための1冊。

 

メッセージ、エピソード

よ く「薬は毒だ」と言われます。それは正しい事で、どんな薬でも用法と用量を守って初めて「薬」としての効果が得られます。用法と用量を間違えば、効果が得 られないどころか「毒(副作用)」をもたらすかもしれません。しかし残念なことに、理系の知識がないため、「薬は毒だ」の概念ではなく言葉だけを信じ込ん で医療不信・薬不信になってしまい、用法用量を守らない人が多いのです。そこにつけこみ、薬への不安を煽って健康食品や特殊療法を売り込む「民間療法ビジ ネス」も跋扈しています。そこでこの本から、一般的な「サリドマイド怖い」というイメージではなく、「薬は毒だ」の正しい概念を見出してほしいと思います。

 

この本があなたに与えた影響

本の内容が私に与えた影響というにはちょっとずれますが、メディア業界は問題が多いなと思うようになりました。
この本を読んだ頃に、名古屋大学の野依良治先生が不斉合成法の発明でノーベル賞を受賞しました。不斉合成法とは化合物光学異性体のR体とS体を選り分けて 合成する技術のことですが、メディアが野依先生の功績を紹介する時に「事件当時サリドマイドには危険なS体が入っていたので薬害が起きた」と説明していま した。実はサリドマイドのR体だけ服用しても体内でS体に変化するので、今も昔もサリドマイドは用法用量によっては危険です。そのことに一言も触れること なく、どこのメディアも判で押したように「サリドマイドの薬害は・・・」というフレーズを付け足すのです。つまり、今のメディアには理系知識・思考がな く、誰かの書いたコピーをみんなが真似してしゃべる/書くだけです。この当時私は出版社にいて、メディアへの失望感を胸に、動物薬業界へ転職してしまいま したが、今度は宮崎の口蹄疫禍に際してメディアの伝える内容にはイライラしてしまいました。
特にメディア業界について、一般人と理系の間には暗くて深い知識の谷間があると思うので、そこを埋めるタイプの理系が多くなってほしいなあと心底願っています。

 

 

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Rikejoは、リケジョ(=理系女子)を応援するプロジェクトです。先輩リケジョから中高生たちへおススメの本を伝えたい!先輩同士でも本について盛り上がりたい!ということで理系女子の100冊サイト、スタートしました!

もっと詳しく知りたい人

2013年 3月4日

 特集ページ(数学特集)開設しました!

 

※100冊ライブラリーは随時更新中!