先日、八丁堀の建設会館にて、土木技術者女性の会によるプレス発表がありました。
同会設立30周年記念行事の6月に開催予定の未来フォーラム開催についてと、土木技術者女性の会のシンボルマーク募集についての発表でした。
土木技術者女性の会は、今から30年前の土木学会の女性技術者の座談会からスタートした組織です。しかしながら、現在は、女性土木技術者特有の問題をきめ細かく取り上げ対応していくため、学会からは独立した団体として活動されています。当初は会員は、30名でスタートしましたが、現在は170名程度となっています。スタート当初に比べ、女性土木技術者は、増えてはきているものの、土木学会の女性比率は2~3%程度と他の学会に比べ極端に低く、そういった意味でも、若い方への土木関係という仕事についての普及、PR活動にも力をいれてらっしゃいます。
6月に開催予定の、未来フォーラムについても、土木の意義を伝えることを目的としてらっしゃいます。フォーラムでは、土木に対して「人々の社会基盤を支え、命を守る仕事」という点を強調されており、命を守るということに共感し、それを目指す人が少しでも増えることを期待されているようです。また、このフォーラムには、男女問わず誰でも参加できますが、土木という一見男性っぽい分野に、この「命を守る」というソフトなテーマを設定したとが、女性ならではのアプローチなのではないかということでした。
また、会長の桑野先生(東京大学生産技術研究所 准教授)は、今年は、東日本大震災があったことから、土木技術全体にとっても、改めて命を守ることを認識し、その重要性を感じた再出発の年でもあるとおっしゃってらっしゃいました。
さらに、土木の現場で女性が働くこと自体があまり認知されていないので、女性が現場でもやりがいをもって働いている、働けるということをまずは認識してもらいたいとのことです。
私も、最近は大学の学部などでも「土木」と言わず、「社会基盤」「社会環境」などと名称変更されたこともあり、女性の進学者も増加しているらしいとは聞いたことがあります。リケジョのサイトにも、土木を目指したいという女子高校生の質問もありましたし、先輩リケジョの方の中にも土木系の方は何人にいらっしゃいます。
今後、もっと多くの女性が活躍されることを期待します。
なお、同会では、将来を模索している女子高校生や女子大学生の職業選択や、土木技術者を目指している女
性達の就職活動を支援することを目的として、土木技術者女性の会が作成した就職支援パンフレットも作成されています。
内容としては、
1.イラストによる土木分野の仕事の紹介
2.現役で活躍している女性技術者19名によるロールモデルの紹介
3.働く女性にとって重要な法令や資格に関する情報
4.土木技術者女性の会の紹介
などが掲載されています。
今回、理系女子の100冊サイトでご紹介することで、リケジョブとしての土木について、この本を通じて多くの方に知っていただきたいと思います。
詳細及び入手につきましてはこちらをご覧ください。
https://womencivilengineers.secure-ymc.jp/pamph.htm
なお、未来フォーラムについては、4月に参加方法などの詳細が発表されますが、以下の日程は決定しています。ご興味のある方は、どうぞ予定を空けて、お楽しみしていてください。また、ご紹介したいと思います。
○趣旨 "いのちを守る土木の未来"をテーマに、土木の原点を再考し若い世代に土木の意義を伝える
○日時 2012年6月22日(金)13時30分~
○場所 東京大学駒場リサーチキャンパス コンベンションホール
○基調講演 調整中
○パネルディスカッション「いのちを守る土木の未来 ―土木の原点を考える―」
パネリスト 山本卓朗さん(土木学会会長)
木村亮さん(京都大学教授、NPO法人道普請人理事長)
○参加資格 どなたでも参加できます。
○参加費 無料
また、会のシンボルマークの募集については、はじまっています。応募用紙など、詳しいことは、以下のサイトよりご覧ください。絵の得意な方は、チャレンジされてはどうですか? ちなみに、優勝賞金は20万円です!
https://womencivilengineers.secure-ymc.jp/boshuu.htm
土木技術者女性の会のますますのご発展とご活躍を期待いたします。
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