2011年

10月

21日

科学本を語る女子会★ @芸工展(谷根千)

10月12日に「科学本を語る女子会@芸工展(谷根千)」が、根津のみのりCafeで開催されました。

 

その中で紹介された本を、ご紹介します。

興味深い本ばかりで、ぜひ、ご興味のあるかたは、お読みください!

『業火 』(講談社文庫)
 パトリシア・コーンウェル (著)
 相原 真理子 (翻訳)

 

0歳の女性検視官が活躍して事件を解決していくストーリー。
彼女の忙しい仕事ライフがわかる。また、管理職としての研究者や政治家とかのからみがわかり、今後の自分のことを考えると、ロールモデルとして元気をもらえるような感じ。忙しいときにもがんばりたいと思える。
そうは言っても、そんな風に難しく考えなくても楽しく、一気に読める本。

『音楽好きな脳―人はなぜ音楽に夢中になるのか 』
 ダニエル・J. レヴィティン (著)
  西田 美緒子 (翻訳)

 

自分が小さいころから音楽が好きで、楽器を続けるのはどうして? 絵じゃなくてなんで音楽など、常ひごろ考えていたところ、この本に出会った。
自分は理系と音楽を両方やっているので、理系的な考えをもてれば、さらに音楽の幅が広がるかなとも、思い読み始めた。また、音楽を感覚だけでなくて、科学的な視点でみたらどうなのかをみたいということもあった。ただし、さらっとは読めなる本ではなく、正直読破に苦労する。
音楽をすることが、脳の中でどうなっているのか、音符や音などを、脳の中で記号化されているが解釈されている。私もそれが不思議だったよ!と共感することはが多い。
そういう研究をすると、芸術的なところが感じられなくなるかと筆者も心配していたが、そういうこともないようなので引き続き読み進めたい。
ちなみに、理系で音楽が好きという率は高いらしい。楽譜を読むときは足し算や掛け算のイメージで、たしかに公式っぽいところはある。

 

『失敗学のすすめ』 
 畑村 洋太郎 (著)

今般の原発の事故のような、大きな失敗がなぜおきるのか? 失敗からどのように学べばいいのかが書いてある本。臨海事故や雪印乳業の偽装事件など、ああと思出だすような事故の背景や失敗の要因などが書いてあり、そこからどのように学べるのか、その後どうなったとかも書いてある。
仕事する時にも、もし失敗したら次にどうすればいいのかというのは、組織としても必要なので、そういうのを考えさせられる本である。
一つの例として、失敗は伝わりにくくて、時間たつと減衰していくということで、今回、津波の被害にあった三陸にも、昔の巨大津波が襲ったという警告の石碑があるのに、その下に家が建っているということが示されている。

『これが見納め―― 絶滅危惧の生きものたち、最後の光景』
 ダグラス・アダムス (著), マーク・カーワディン (著)
 リチャード・ドーキンス(序文) (著)
 安原 和見 (翻訳)

 

「銀河ヒッチハイクガイド」というイギリスで一斉風靡したドタバタコメディの脚本家であるイギリス人が、絶滅危惧種を見に行ってレポートしていたものをまとめた本である。自分は、銀河ヒッチハイクガイドのドタバタの中にもサイエンスがあったるのがすごくおもしろくて、好きだった。
その脚本家なので、これはノンフィクションで絶滅危惧種を扱っているのに、節々にユーモアーがある。笑える感じがよい。例えば、コモドドラゴンを鶏で引き寄せようとしたら、他のトカゲに取られたみたいな、楽しさがある。
序文はリチャードドーキンズの生物学の遺伝子化学の大家が書いている。ちなみに、この作者のダグラスアダムスは、亡くなってしまい、まさに「これが見納め」となっている。

『銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫) 』

 ダグラス・アダムス (著)

 安原 和見 (翻訳)

 

ちなみに、「銀河ヒッチハイクガイド」も紹介しておきます。

 

(アマゾン解説より)銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと“ガイド”―。シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。

『宇宙―そのひろがりをしろう (かがくのほん)』
 加古 里子 (著, イラスト)

 

童話作家のかこさとしさんが、宇宙について説明した本である。自分は、小学校の低学年の時に、両親に買ってもらった。作品の中の、一つづつのディテールが細かく、距離など正確な数字が書いてある。この細かさ、マニアックさが、こどもながらにおもしろかった。
小学校ではわからない専門用語などもあるが、オーロラとかに興味をもったのは、この本ではないかと思っている。箇所箇所の緻密さが、子供向けでなくて、ごまかしのない、大人の科学だということがわかった。

内容としては、前半には、ものをどんどん早く飛ばしていくと地球から出られるということが書いてあり、後半は地球から離れるとどうなるかということで、説明を飛ばすことなくてきちんと説明してある。小さいものから大きくなることが、実感としてスケール感覚がわかる本である。

『寺田寅彦随筆集 (岩波文庫) 』
 寺田 寅彦 (著)   小宮 豊隆 (編集)

 

大人になって転職した時の転換期に参考となった本である。卒業後、会社勤めもしたのだが、自分で何かやりたいと思って翻訳の仕事をはじめた。理系だけど文系的・文学的なものを取り入れるのが翻訳かなと自分で思い、その時に読んで刺激を受けた本である。

寺田先生は、東大の物理の先生で、金平糖のでき方なども研究された方であるが、夏目漱石の弟子で、俳人としても活躍された方である。自分も6年前から俳句もやっている。明治の人には、お医者さんで俳人は多い。
この本は、物理っぽく考えたものを、文学的に表現しているのがすごくよくて、こんな風に書きたいと思わせるものである。

『単純な脳、複雑な「私」』
 池谷裕二 (著)

 

自分の仕事として、講演会などに行ってレポートを書くというのがある。金沢の池谷先生の講演があって行ったので紹介したいと思った。池谷先生は、東大薬学部の薬学博士だが、脳の中の海馬の研究をされている。

講演では、「自分が書いた本の中で一番好きな本」とおっしゃっていた。これは、母校の静岡県の藤枝東高校での講演と、さらに知りたいという生徒向けに行なった授業の内容が、語り口調で書かれている。また、その時、使った映像とかスライドが、携帯から見られるようになっており、授業が体感できるようになっている

心の中の機能を働きごとに分割して紹介している。中でも「リカージョン」が面白かった。マトリオーショカみたいに、あるものの中にあるもんがどんどん入っている状態のこと。脳を考えるときには脳を使い、心を考える時には心を使うということで、これがまさにリカージョン状態。そうして、人間は、さらにその先心を考え心を使いというように、リカージョンの現象は無限大である。それはどういうことかというと、人は、考えすぎちゃうため、ニッチもさっちも行かなくなっちゃうのである。考える時間は無限大にあるが、情報処理の能力には限界があるので、それ以上は考えても意味がないよということ。

自分自身が、考えすぎちゃって、ごちゃごちゃするので、この本を読むと整理できるよ

うな気がする。それで脳科学が好きで、理系も好きで、、、ということになった。

『ウェザー・オブ・ザ・フューチャー―気候変動は世界をどう変えるか』
 ハイディ カレン (著)
 大河内 直彦 (その他),
 熊谷 玲美 (翻訳)

 

(翻訳家の自分が)初めて一人で翻訳した記念すべき本。世界の都市で、2050年に世界の天気がどうなっているのか、経済的にはどうなっているのかなど、身近な話題で示した本。ネタ的にも使える。表現として、海面が9センチあがるだけでなくて、そうなった場合には、下水が逆流するとかが書いてあるり、身をもって地球温暖化のことなどを考えることができる。2050年はあと40年だから、実は遠くない未来のこと。知っておくべきではないか。10年おきの予測で最終的に2050年のものを出している。

 

 

 

 

『アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫) 』
 ダニエル キイス (著)
 小尾 芙佐 (翻訳)

『野村ノート(小学館文庫) 』
 野村 克也 (著)

 

監督として優秀だがクセがある感じだみなさん思っているはずだが、この本を読むと実は愛が溢れている人格者ということがわかる。
特に、モチベーションをいかにみんなで、共有するかということをリーダーは心がけるべきとされており、弱い人間が強い人間に勝つにはそれしかないとしている。いわゆる野村再生工場というのはそういうこと。リーダーは人をみて、その人の特性を活かした活用をすることが大事としている。また、以下に扱いにくい人材を、アメとムチを使いながら、本人のやる気にどのようにさせるかということも書かれている。
 彼特有のぼやきも、その人に客観的に知らせるため、また、自分が悪者になるための演出だったようである。
 野球も仕事も人間力だから人として人生をどうまっとうするか。どれだけ成長できるのかを、おごり高ぶらず一生懸命やるかということであるとしており、共感できる部分である。

 

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