理系女子の生き方  理系女子Books Café@つくば レポート その1

今日は、3月31日に、つくばで行なわれた理系女子Books Cafeについて、ご報告します。

 

Books Caféは、先輩リケジョの皆さんから、中高生の皆さんにお勧めする本をご紹介していただくものなのですが、参加された先輩リケジョの方の「どうして今の専攻を選んだのか」「女性が仕事としての研究職をするって?」「同業者のだんなさんって??」といった、理系女子としての生き方のお話の方が、盛り上がってしまったので(^_^;)、ここでは、それを中心にレポートします。

 

みなさん前からのお知り合いだったのですが、今まで、改めてこのような話をしたことがなかったそうで、今回「すごく楽しかった」「参考になった」という感想を頂きました。やっぱり、理系女子Café開催する意味ってすごくあると思います。小さくてもいいので、全国様々な場所で開催して行きたいと思います。





では、お一人お一人、先輩リケジョとしての生き方をご紹介したいと思います。

 

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今回のCaféに参加してくださったのは、筑波大学の生命環境学研究科または学類で生物関係の研究をされている4名と、サイエンスコミュニケーターの尾嶋さんの5名です。

 

まずはじめに、本日のCaféのコーディネーターをしてくださった尾嶋さんをご紹介します。

 

尾嶋さんは、現在、筑波大学のサイエンスコミュニケーターとして、BSリーグ(http://mirai.biol.tsukuba.ac.jp/ 小学校5年生から中学2年生までで、将来生物学者になりたい子にエリート教育をするというもの)関係のお仕事をされたり、個人的に家庭科学の本などの執筆活動をしていらっしゃいます。また、二人のお子さんのママでもいらっしゃいます。

元々は、北海道大学の畜産学科のご出身です。北大を目指した大きな理由は、当時、東京の名門女子高校生だったのですが、とにかく親元を離れたいその一心だそうです(!)。「動物のお医者さん」の影響もあり、北の大地への憧れもあったそうです。

北大では食品化学で修士を修了されましたが、その時に、自分は研究職は向いていないと思ったことと、結婚が決まっていたこともあり、研究職的な仕事にはつかず、某塾の塾講師&受験生のクラス担任をしていました。そして、ご主人の留学が決定後、ご主人について渡米されました。

しかし、単にそこで、ご主人にアメリカについて行っただけじゃないところが、尾嶋さんで、その時に、「修士」の肩書きでは食べていけないからと、難関の米国会計士の資格を取ったのです。一時は、アメリカの不動産業界でバリバリのビジネスウーマンとして働いていらっしゃったそうです。北大の畜産からビジネスウーマンへ。。。これリケジョも生き方の一つですよね。

しかし、やはりそれは自分のやりたいことではないと思い、ご主人と帰国されたこともあり、サイエンスプラス(http://www.scienceplus.co.jp/という会社を起業されました。その時にも、必要だろうと中小企業診断士の資格も取っているんですよ。このファイトと、状況に応じた進路選択、、、これもリケジョ魂ですよね~。

そのうちお子さんも生まれましたが、子育てをしながら、さらに執筆活動にも挑戦されました。著書に「家族で楽しむおもしろ科学実験」 http://tinyurl.com/5t7bawがあります。これは、ママ目線で書かれたお料理しながら科学が学べる本です。子育て中にも、新しい挑戦されたんですね~

そして、ご主人が筑波に転勤になり(ご主人は研究者です)、筑波に引越しされることになりました。ちょうどその時に、筑波大学で「生物学オリンピック」を開催することになっていたのですが、前々からそれに携わりたいと思っていた尾嶋さんは募集もないのに、直談判して、事務職担当者として採用してもらったそうです。やがて、尾嶋さんの能力と器は、事務補佐員ではないだろうということになり、生物学類長が大学本部に掛け合ってくれてサイエンスコミュニケーターという今の職種を作ってくれたということなのです。す、すごい! 

自分の人生を、夫の転勤、子育てと周りの環境に合わせつつも、その時にやれること、やりたいことを一生懸命にやり、自分で道を切り拓く、、、これぞ、まさにリケジョ魂です。

理系女子といっても、こんな風にも生きられる、そして、人生は計画通りには行かないこともあるのだから、尾嶋さんみたいに柔軟に生きて行くことも大事だということ、いくらでも進路変更できるということを、進路選択とかに悩んでいる中高生の皆さんにも知ってもらいたいです。

これからは、筑波大学で女性研究者支援にも携わっていきたいそうです。筑波大学は、女子学生は多いのですが、女性の先生が少ないそうで、そういった意味からもサポートして行きたいそうです。

 

そんな尾嶋さんのお勧め本は、「戸塚教授の科学入門」と「群れのルール 群衆の叡智を賢く活用する方法」です。

「戸塚教授の科学入門」は、原発云々といっている今だから読んでほしいだそうです。戸塚先生は、元高エネルギー研究所の所長さんで、物理が苦手な人にもわかりやすく、物理を解説してくださっています。これを読むとなぜ原子力かといったことも、科学的な観点では納得できるそうです。

 

←戸塚教授の「科学入門」E=mc2 は美しい! 戸塚 洋二(著)(講談社)

 

 

 

 

←お勧めポイント!(尾嶋さん直筆です!)

「群れのルール 群衆の叡智を賢く活用する方法」は、女子中高生というのは、周りを気にして人間関係に疲れたりしやすいので、これをお勧めするそうです。これを読むと「なぜ周りを気にするのか」ということを科学的に理解できるそうで、人間だって群れで生きているかな~と納得できるそうです。

 

群れのルール 群衆の叡智を賢く活用する方法

ピーター・ミラー著 土方 奈美翻訳(東洋経済新報社)

 

レポートその2に続きます!

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コメント: 1
  • #1

    Eustace (月曜日, 23 7月 2012 11:37)

    I was looking for something similar, I am very grateful you have shared this subject

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